第63章 悪夢を見る

石橋結翔は彼女の不満げな表情を見て取り、優しく声を落とした。

「生理が近かったんだろ。そんな時に無理をしたら、体に良くない」

真理の胸がふっと温かくなる。思わず口元がゆるみ、人さし指で石橋結翔の顎をくいと持ち上げた。

「でも……つらいの、主人……」

「今、俺を何て呼んだ?」

石橋結翔の五指がきゅっと力を込め、真理を自分のほうへ引き寄せる。

二人の間に挟まった布団が、やけに邪魔だった。

真理はくすりと笑い、布団を引き寄せて脇へやる。身体を石橋結翔の胸にぴたりと寄せ、人さし指を頬のラインに沿わせて滑らせた。熱を帯びた耳たぶの先に触れた瞬間、最初にあったはずの羞恥はもう欠片もない。

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