第74章 彼は怒った

真理は視線を泳がせ、やましいのを誤魔化すみたいに背筋を伸ばした。前だけを見つめ、唇をきゅっと結ぶ。

小さく咳払いして、

「そんな、先のことまで分かるわけないじゃない……」

声はやけに小さい。言い終えると、ゆっくり首を横へ向け、車窓の景色へ逃げた。ふわりとした一言で、負い目をなかったことにするつもりらしい。

だが、石橋結翔がそんな甘い相手なはずがない。彼は手を伸ばし、強引に真理の顔を正面へ戻して、自分のほうへ向けさせた。

「俺は、お前が最初から分かってたと思う。……本当に、あいつらが成功してたらどうするつもりだった?」

真理が薬を盛られる可能性が頭をよぎった瞬間、石橋結翔の墨みたい...

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