第81章 窓

真理の衣服はいつの間にか床へ落ち、石橋結翔の大きな手が彼女の身体を支えた。冷えたガラスの感触が背中越しに伝わり、真理は思わず息をのむ。

眼下には、夜の都市。

マンションから見下ろす光の海が、眩しいほどに広がっていた。

彼女は知らない。目の前の窓が一方通行のガラスだということを。

見られるかもしれない——その恐怖が、かえって熱を煽り、理性と欲望が胸の奥でせめぎ合う。

「結翔……私、もう……」

声は掠れ、縋るように名を呼ぶだけで精一杯だった。

「何が欲しい?」

低い声が耳元を撫でた。

指先がゆっくりと辿り、触れられた瞬間、真理の身体はびくりと跳ねる。

「……入れて。お願い」

...

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