第86章 リゾートの主人(一)

掠れた声に、かすかな笑いが混じる。石橋結翔が低く言った。

「何を隠れる」

真理は彼の肩に縋りつき、否応なく押し上げてくる衝動を何度も受け止めさせられる。顎を高く持ち上げるしかなく、言葉で返す余裕などない。

肉が奥を貫く感触だけが、やけに鮮明だった。敏感になりきった身体は感覚のすべてをそこへ集め、突き入れられて、引き抜かれていく一つ一つを、逃げ場なく思い知らされる。

まるで荒れ狂う海に放り出された小舟のようだった。頼れるものは何もなく、押し寄せる波に翻弄されるたび、ただ揺れ続ける。

不意に、下から加わる力が強まった。真理の声もさらに大きく響く。もう周囲の感覚すら失い、ただ込み上げる熱...

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