第87章 リゾートの主人(二)

誰かが正義感から声を上げ、身を挺して割って入った。

――けれどその言葉は刃物みたいに鋭く、真っすぐ「味方」の胸を刺した。

菅野彩乃の顔色がさらに悪くなるのを見て、真理は口元だけをわずかに持ち上げる。

「同じ言葉、そっくりそのまま返すわ」

菅野彩乃たちが踏み込んできた時点で、真理はすでにリゾート部長へ連絡を入れていた。時間を考えれば、そろそろ来るはず――。

そう思った矢先、遠くから慌ただしい足音が近づいてくる。

きちんとしたスーツ姿の男が、白いハンカチで額の汗を必死に拭いながら駆けてきた。

「菅野さんは……どちらに?」

母が亡くなってから、真理は思い出に触れるのが怖くて、リゾー...

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