第94章 お知り合いになれますか?

「すみません、イケメンの兄さん。ちょっといいですか」

真理と石橋結翔が声のほうを振り向くと、少し離れた場所にピンクのワンピースを着た女の子が立っていた。手にはミルクティー。頬はうっすら赤く、目には隠しきれない好意が宿っている。視線はまっすぐ石橋結翔へ――隣にいる真理の存在など、最初から見えていないみたいに。

「あの……すごく、友だちに似てて。よかったら連絡先、交換しませんか」

声は小さい。それでも、二人の耳にははっきり届いた。

石橋結翔の眉が、ほんのわずかに寄る。周囲の空気がすっと冷える。断ろうと口を開きかけた、その瞬間――手首がふいに絡め取られた。

真理が一歩前に出て、彼の横にぴ...

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