第7章

絵里視点

寒々とした病院の廊下で、私はベンチに崩れ落ちた。手はひどく震え、水のカップさえまともに持てないほどだった。

緊急治療室の赤いランプは、もう四十分 も点灯したままだ――その一秒一秒が、心臓をナイフで抉られるような感覚だった。

「患者は重度の毒に侵されています。毒素が神経系を蝕んでいます」医者が現れ、重々しい表情でマスクを外した。「我々は全力を尽くしますが……」

私は席から跳ね起き、膝から崩れ落ちそうになりながら叫んだ。「助けてください! お願いです! 全部、私のせいで……」

「落ち着いてください。蘇生措置の邪魔になります」看護師がドアの前に立ち塞がった。

私は壁に...

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