第100章

早村謙介は、早村のお爺さんにそのまま首根っこを掴まれるようにして、早村本家へ連れ戻された。

伊藤夕子は、鈴木青美が薄い病院着のまま、裸足で引きずられるように玄関を跨いだのを見て、思わず息を呑んだ。

「謙介!」

慌てて立ち上がり、伊藤夕子は早村謙介の腕を掴む。

「どうしたの、これ……そんな格好で帰ってくるなんて。何があったの?」

続けてお爺さんへ向き直り、堪えきれずに噛みついた。

「お父さま、いったい何をなさるおつもりですか。謙介はこんなに具合が悪いのに、どうしてわざわざ連れ回すんです!」

お爺さんは手にした杖を床へ「どん」と突き、怒りに笑った。

「わしが連れ回した? なら聞け...

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