第103章

深夜。

鈴木青美はベッドに横たわったまま、寝返りばかり打って眠れなかった。

掛け布団は足元まで蹴り飛ばし、枕は裏返しては戻し――天井を見つめたまま、頭の中だけがぐちゃぐちゃに騒ぐ。あれこれ考えているのに、どれひとつ形にならない。

スマホはナイトテーブルに伏せて置かれ、画面は真っ黒だ。青美はそれを、しばらく見つめ続けた。

やがて手を伸ばし、端末を取って表に返し、画面を点ける。

長い沈黙のあと、深く息を吸い、文字を打った。

【葉山先生、明日お爺さんのところへお見舞いに行きます】

送信してからも画面をじっと見つめ、迷うように、もう一行。

【お爺さんのお見舞いだけです】

送信。既読...

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