第108章

鈴木青美はしばらく黙り込み、首を横に振った。

『……やめとく』

林原稲美は口を開きかけたが、言葉は喉の奥で飲み込んだ。タブレットを取り上げ、残りのギフトボックスの記録に戻る。

控室は、しんと静まり返った。

いくつか入力して顔を上げると、鈴木青美はまだそこに座っていた。白い箱を両手で抱え、俯いたまま、何かを考え込んでいる。

林原稲美は胸の奥で小さく息を吐く。

やがて、ようやく鈴木青美が動いた。スマホを取り、村田さんに電話をかける。

『村田さん、悪いけど上がってきて。これ、先にマンションへ運んでおいて』

通話を切ると、立ち上がり、鏡の前で髪を整えた。

『行こう』

振り返って林...

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