第109章

家に戻った頃には、もう午後になっていた。

鈴木青美は着替えを済ませ、顔を洗い、髪をほどくと、そのままソファの隅に身を縮めた。

リビングでは林原稲美が行ったり来たりと歩き回り、考えれば考えるほど腹が立つのか、足取りが荒い。

「……あの女、どのツラ下げて来たわけ?」

ぴたりと立ち止まり、憤りを顔いっぱいに浮かべる。

「白原礼子よ? 何様のつもり? あんたが早村謙介とこんなことになったの、元をたどればあいつのせいじゃない! それなのに今さら助けてって? しかも跪いて? 誰に向けた芝居よ。……ぺっ! 恥知らずにもほどがある!」

鈴木青美は背もたれに沈み、こめかみを揉みながら、疲れた声で言...

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