第128章

祖父の告別式は、三日後に執り行われた。

弔問客は多かった。A市で名の通った人物は、ほとんど顔を揃えたと言っていい。

鈴木青美は、中へ入らなかった。

実家の向かいの通り、角を曲がったところに車を停め、エンジンを切る。運転席に座ったまま、窓越しに――何度も出入りした黒塗りの門を見つめ続けた。

『青美、入らないの? おじいさんを、最後に見送らなくていいの?』

林原稲美が、そっと問いかける。

『……いい』

鈴木青美は小さく首を振った。

元・孫嫁だ。離婚して半年以上。そこに立つ資格も、立つべき場所もない。

告別式は午前いっぱい続いた。

鈴木青美は車内で、次々と入ってくる車を眺め、次...

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