第129章

白原礼子は、よろめきながら病院へ駆け戻った。

ドアを開けた瞬間、彼女はそのままベッドへ倒れ込むように飛びつき、毛布にくるまって頭まで覆い、身体を小さく丸めた。

物音を聞きつけたアントルが、彼女の背を追うように部屋へ入ってくる。礼子の様子を見た途端、眉間がきゅっと寄った。

彼はドアを閉め、ベッド脇へ歩み寄ると、腰を折って毛布をめくろうと手を伸ばした。

だが白原礼子は角をぎゅっと握りしめ、離そうとしない。毛布の中で、がたがたと震えている。

『どうした?』アントルが慎重に声をかける。『何があった?』

礼子はさらに縮こまり、毛布の奥から途切れ途切れに声が漏れた。

『……知ったの……あの...

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