第131章

鈴木青美は目を細め、目の前の男をじっと観察した。

見覚えのない顔。金髪に碧い瞳、整った容貌で、どこか人形めいている。

――いま自分が椅子に縛りつけられていなければ、映画かドラマの撮影現場に迷い込んだのだと勘違いしたかもしれない。

悲鳴が喉を突き破る、その寸前。

鈴木青美は唇を強く噛みしめた。鉄の味が広がる。血の生臭さで、ようやく頭が冷えた。

「……あなた、誰? 何をするつもり」

アントルの手が、ぴたりと止まった。

彼は手にしていたナイフを置き、振り返って鈴木青美を見る。

「目が覚めたんだね」

口調は妙に丁寧だった。表情も異様なほど静かで、次の瞬間にでも自分の首へ縄をかけ、淡...

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