第134章

月光だ――!

鈴木青美の足が、ふっと止まった。闇の先がようやく白くほどけ、彼女ははっとして歩調を速める。

前方の光は、みるみる強くなる。

上へ抜ける出口だ。そこには鉄格子が被さっていた。

(助かる……!)

青美は胸の奥で弾けるような喜びを噛み殺し、早村謙介を壁に背中から預けさせると、自分だけ先に這い上がった。濡れてぬめるコンクリートに手を突き、肩で鉄格子を押し上げる。全身の力を、残らず叩きつけた。

重い。しかも錆びついている。びくともしない。

青美は歯を食いしばり、もう一度――今度こそ、命を削る勢いで体当たりする。

ギギ……。

鉄格子が、わずかに動いた。

そこからは少しず...

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