第137章

「迎えに来いって言っただろ」

受話器の向こうが、またしばらく沈黙する。やがて、かすかな溜息。

「……はい」

周防誠が到着したとき、早村謙介はすでに病院の正面入口に立っていた。

夜風は冷たく、シャツの裾がふわりと持ち上がる。彼は顎を上げ、夜空を見つめている。何を考えているのか、表情からは読み取れない。

「早村様」

周防誠が駆け寄り、青白い顔色と、シャツの下から滲む血を見た瞬間、息を呑んだ。

「早村様?! そ、そのお怪我……!」

「平気だ」

早村謙介は苦しげに手を振ると、車のドアを開け、身を折るようにして後部座席へ滑り込んだ。

周防誠は黙ったまま、その背中を見送るしかない。結...

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