第21章

鈴木青美がこんな格好をしていると――案外、様になる。

もともと顔立ちがいい。何を着ても目を奪われて、視線を外せなくなる。

「青美。もっといい選択があるだろ。どうしてこんなところに――」

鈴木青美は顔を上げ、彼を見た。

「早村謙介。誰もが贅沢な暮らしを望んでるわけじゃない。私は、私がいちばん楽でいられるほうを選んだだけ」

その言葉の裏を、早村謙介は聞き取ってしまう。

離婚もまた――彼女が自分を楽にするための選択だと。

彼女が続けるより先に、早村謙介が言葉をねじ込んだ。

「青美、俺は……こんなところに住んでるお前を、黙って見ていられない。いったん戻ろう。何があっても、戻ってから話...

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