第43章

彼が彼女を見つけたとき、彼女はいつもそうだった。息も続かないほど泣きじゃくって、まるで子どもみたいに。

彼は彼女を抱きしめて、こう言った。

「怖がるな。俺がいる」

あのときは、本気だった。

本気で守りたかった。本気で、彼女に帰る場所を作ってやりたかった。

――それが、いまはどうだ。

早村謙介は視線を落とす。

こんなふうになっていくのを、黙って見ていたいわけじゃない。けれど、言葉にした瞬間、取り返しがつかなくなる気もして……結局、何も言えなかった。

最後はただ背を向け、そっとその場を退く。祖母と孫娘のために、部屋を空けるように。

夕食は、早村謙介が何品か作った。どれも祖母の好...

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