第44章

祖母の家で気まずい別れ方をして以来、早村謙介はまた何日か姿を消した。

鈴木青美にとっては願ったりだった。せっかくの静けさだ。この間に祖母のそばについていられるし、ついでにギャラリーの準備にも本腰を入れられる。

村田志津子たちとはオンラインで何度か打ち合わせを重ね、ブランドの方向性と初期ラインナップを仮決めした。会場となる物件も見つかった。

市中心部の、ひときわ賑わう一等地。広さはそれほどでもないが立地は申し分なく、家賃も無理のない範囲だ。

――すべてが、いい方へ転がっていくように見えた。

ところがその日の午後。

青美が祖母と小さな庭先で日向ぼっこをしていると、スマホが不意に鳴った...

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