第49章

早村謙介を見つめる鈴木青美の視線は、凪いだ水面みたいに静かで――その静けさが、かえって怖かった。

「早村謙介、出て。今は顔も見たくない」

早村謙介の表情が、さっと強張る。

「青美、俺は……」

「出て」鈴木青美は、同じ言葉を繰り返すだけだった。

早村謙介は数秒、彼女を睨みつけるように見ていたが、ふいに村田黒人へ顔を向ける。目の奥に、ひやりとした光が走った。

「村田黒人。外に出ろ」

「は?」村田黒人が鼻で笑う。

「早村様。ここはあなたの会社じゃない。俺もあなたの部下じゃない。命令される筋合いはない」

「出ろ」

早村謙介が一歩踏み込み、村田黒人の襟元を掴んで引きずる。

「話が...

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