第50章

早村謙介はその場に立ち尽くし、開いた口を閉じたり、また開いたりした。

謝りたかった。自分が間違っていた、本当にわかっていると。もう二度と、早村瑞子のために彼女を置き去りにしない。もう二度と、彼女の気持ちを見ないふりなどしない。二度と――。

「早村様! 早村様!」

周防誠の切迫した声が、思考を断ち切った。

息を切らして駆け寄ってきた周防誠は、病室の前に立つ鈴木青美を目にした途端、顔を曇らせた。

「早村様、あの……」

言い淀み、視線が泳ぐ。鈴木青美をまっすぐ見られない。

鈴木青美が冷ややかに笑う。

「周防助手、言えば?」

淡々とした声。

「ここまで来て、まだ私に隠すことがある...

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