第61章

お婆さんは、ふっと小さく息をついた。

『おまえにそんな気持ちがあるのは、ありがたいことだよ。けれどね、謙介……人の心の中の氷っていうのは、一日で凍りついたものじゃないんだ。これまでの出来事、一つひとつが、あの子の胸に刃みたいに刺さってる。たったひと言、埋め合わせをするって言ったくらいで、そう簡単に消せるもんじゃないよ』

そう言って、お婆さんは眠る外孫娘へと顔を向けた。

『青美の心の氷を……おまえ、本当に溶かせるのかい?』

早村謙介はお婆さんの手を強く握った。

『お婆さん、誓います。俺はこの先の人生を全部かけて、あいつの心を温めます。たとえ俺の体温で、少しずつしか溶かせなくても。一年...

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