第69章

『……林原宏に電話しなさい。伝えて。早村瑞子って駒は、もう使い物にならない。頃合いよ。切り捨てて』

白原礼子は、男の喉仏に歯を立てた。

『ただし――最後の価値は、きっちり搾り取ること。刺激するなら、鈴木青美と早村謙介がいちばん痛がるところを抉りなさい。二人が離婚せざるを得ないくらいに。……それと』

耳元で囁く声が、冷たく尖る。

『二度と、早村瑞子に這い上がる余地を与えないで』

男はすでに目を血走らせ、礼子の身体をぐいと反転させてベッドに押しつけた。腰を突き入れる。

耳たぶを甘く噛み、掠れた声で言う。

『承知しました。全部、お嬢様の仰せのままに』

鈴木青美が村木から電話を受けた...

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