第75章

その場は、凍りついたみたいに静まり返った。

次の瞬間、さっきよりも密度の濃いシャッター音が、ぱちぱちぱちぱちと雨あられに降り注ぐ。

これは名家の内輪話なんて生易しいものじゃない。街どころか、全国を揺らすレベルの特大スクープだ。

中村赤人は、愛妻の娘のために――自分の子どもを持たない人生を選んだ。誰もが知っている。あの少女が「戻った」時点で、中村家の一人娘であり、唯一の相続人になるということを。

しかも、その当人が、ここ最近ずっと世間を騒がせている早村奥さん・鈴木青美だった。

こんなの、見出しを一つ切るだけで爆発する。

『中村奥さん! 鑑定書、見せていただけませんか!』

『中村奥...

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