第79章

葉山惠也はひらりと手を振り、早村謙介の支離滅裂な言葉を遮った。

周防誠に視線を投げると、周防は即座に察し、音も立てずに部屋を出て、扉を閉める。

「今すぐ青美のところへ行きたいのはわかってる」

葉山は室内へ踏み込み、手にしていた書類袋を、散らかった早村のデスクへ置いた。

「だが、その前に――ひとつだけ、最後まで聞け。聞いたうえで、自分の胸に手を当てて考えろ……」

葉山惠也は、早村の瞳の奥をまっすぐ射抜く。

「お前は、彼女に会いに行く資格が……まだあるのか?」

早村謙介の胸がひゅっと縮んだ。嫌な予感が、冷たい霧のように喉元まで上がってくる。

「葉山さん……どういう意味ですか」

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