第81章

早村瑞子は弁解しようとした。けれど顔は腫れ上がり、言葉にならない。ただ「うぅ……」と痛みに呻く声が漏れるだけだった。

早村謙介は、もう彼女を一瞥する気すらない。立ち上がると背中を向け、そのまま病室を出ていく。

扉が瑞子の目の前で閉まった――と思った次の瞬間。

黒服のボディガードが二人、無言で押し入ってきた。

早村瑞子は恐怖で目を見開く。胸の奥に、嫌な予感が冷たく広がった。

ボディガードは彼女に反応する暇すら与えず、淡々と告げる。

『早村さんのご指示です。早村さん、あなたの行為は殺人未遂の疑いがあります。どうか安心して治療に専念してください。退院できる状態になりましたら、警察の方が...

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