第93章

「何も知らない! 私、ほんとに何も知らないの!」

早村瑞子は喉が裂けるほど泣き叫んだ。

「いきなり海外に送られるのよ! 療養だなんて名目、実際は流刑みたいなもの! 私は――早村謙介が認めてくれるって思ってた! お爺さんに、みんなに言ってくれるって。恋人だったのは私じゃないって! なのに、あの人は何もしなかった!」

「私に全部かぶれって頼んだの。海外で二年、身を隠してくれればいいって。必ず落とし前はつける、全部片づける、迎えに行く、埋め合わせもするって……」

「信じたのに。――信じたのに!」

瑞子は絶望したように叩く手を止め、涙で霞む目を鈴木青美へ向けた。

「やっと分かったんだって...

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