第99章

お爺さんは、自分の目を疑った。

早村瑞子は、もう留置場に入れられたはずじゃなかったのか。

この件は自分が直々に確認している。確かに中にいて、あとは公判を待つだけ――そう聞かされていた。

なのに今、その女が、平然と目の前に立っている。

思わず、お爺さんは一歩、後ずさった。

『お前……』

白原礼子はぎゅっと袖を握りしめた。次の瞬間、目尻が赤く染まり、涙がにじむ。

『あの……早村のお爺さん、ですよね。私、白原礼子と申します。瑞子の双子の姉です。謙介に会いに……』

双子の姉――?

お爺さんの頭の中で、ぶん、と鈍い音が鳴った。

改めて、その顔を凝視する。

似ている。眉と目は瑞子よ...

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