第8章

 マーカスとレナーは、ソファから動けずにいた。

 二人は、ヴェスパーが引きずられていった出入口を見つめていた。まるで、誰かが永遠に閉めてしまった扉を見送るときのように。

 やがてレナーがソファからずり落ち、膝をついた。両手で顔を覆う。

「私たちのせいよ。もっと早く気づいていれば――せめて一度でも、あの子に聞いていれば――どうしてこんなことにしたの、どうしてこんなことに――」

 マーカスは何も言わなかった。ただ自分の頬を叩き始めた。ゆっくり、強く、均等に。まるで子どもを罰するみたいに。次第に速くなる。目の下の皮膚が裂けた。

 どちらも、相手を止めようとはしなかった。


 扉...

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