第5章
「これは彼女の遺品です」
女性看守が透明な袋を一つ取り出した。
中には、半分の玉佩と、一枚のしわくちゃな紙が入っている。
博之は震える手で玉佩を受け取ると、瞬く間に顔面蒼白になった。
この半分の玉佩は、六年前、彼が交通事故に遭った時、命の恩人が残していったものだ! そしてもう半分は、ずっと彼が肌身離さず持っている!
「こ……これは詩音の?」
「はい、彼女がずっと身に着けていました」
女性看守は頷く。
「それからこの紙は、妊娠検査の報告書です」
博之が紙を広げると、そこにははっきりと書かれていた——妊娠三ヶ月以上。
彼は完全に呆然となった。
詩音は死んだ時...
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