第6章

如月家の豪奢なリビングで、車椅子に座っていた優希は、博之が骨壷を抱えて入ってくるのを見て、瞬く間に顔面蒼白となった。

「博之お兄様、それは……」

彼女の声は震えていた。

「詩音の遺骨だ」

博之は冷たく彼女を見つめる。

「あいつは死んだ。刑務所でな」

優希は驚愕した表情を装った。

「えっ?お姉様が死んだ?どうして……ありえないわ!」

「芝居はよせ」

博之は玉佩を取り出した。

「お前の持っている片割れを出せ」

優希の顔がさっと青ざめる。

「な、何の片割れですの?何をおっしゃっているのか……」

「六年前、俺を助けたのは詩音だ。お前じゃない!」

博之の声は氷...

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