第13章
両親は連絡を受け、わざわざ東京から駆けつけてきた。
彼らはてっきり、怪我をした愛理の見舞いだと勘違いしていた。ついでに、自分たちの親としての慈悲深さを周囲に見せつけるつもりだったのだろう。
しかし神居村に到着し、地面に跪く美羽と翔太の姿を目にして、その表情は一変した。
母は憔悴しきっており、両目は赤く腫れ上がっている。
父は痛風の発作で歩行もままならず、人の手を借りてようやく立っている状態だった。
「あなたたちが……凛が助けた子なの?」
母は震える声で問いかけた。
「凛先生のお母さん?」
美羽が泣きながら母の懐に飛び込んだ。
「ごめんなさい、美羽とお兄ちゃんの...
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