第10章

美智視点

 まず俊たちを部屋から出した。

 それから病室へと戻る。中に入った途端、真の顔が真っ青になっているのが見えた。

 目は見開かれ、口が半開きになる。

 そして、彼が血を吐いた。

 吐血は真っ白なシーツに、彼が署名したばかりの書類の上に、飛び散った。

「真!」理奈が叫んだ。

 彼は後ろに倒れ込み、その体は枕に強く打ち付けられた。

 部屋は一瞬にして混沌に陥った。看護師たちがドアからなだれ込み、医者が何か指示を叫んでいたが、私の耳にはほとんど入ってこなかった。

「皆さん、部屋から出て!」誰かが怒鳴った。

 私は動かなかった。

 ただその場に立ち尽くし、真のベッドに群...

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