第119章カリックス

俺はその男のローグを見据え、なぜ彼が去ろうとしているのかを測ろうとした。

「ダニー、もう無理よ」キラがかすれた声で言う。瞳には涙が浮かんでいた。

「そんなに単純じゃない」彼はキラに言った。「アルファ……こんなこと頼む権利がないのはわかってる。でも、妹だけはここに置いてやってほしい」

「なぜ戻る?」俺は計算しながら問う。

「マシューが、俺たちが白い狼の確保に失敗したって報告するからだ。伯爵夫人は、俺たちに辿り着く手を必ず探す。俺が戻れば、キラはマシューに負わされた傷が原因で死んだ、と言える。死んだ狼は探さない」ダニエルがそう告げた。

「ローグは殺してきた」俺は指摘する。無抵抗の彼を冷酷...

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