第202話アマリー

「やり遂げたわね」背後から、猫なで声がする。

振り向きざま、目の前に立っていたのはヘカテだった。ギリシャ風の白いドレスに、深紅のルビー色のベルト。目元は黒く縁取られ、耳にはイヤリングが揺れている。首元には黒い鎖に吊られた、ただ一粒の黒曜石のダイヤが光っていた。

「ほらね、できるって言ったでしょ」ヘカテは得意げに言う。

その言葉は、私の肩越しに投げつけられたものだった。私は振り返り、セレネが入ってくるのを見る。ドレスの布がまた波のように流れ、彼女の周りでふわりと揺れた。

「私は、失敗するなんて一言も言ってない」セレネはシッと息を漏らすように言いながら近づいてくる。彼女は私を抱きしめた。薄...

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