第41章マーカス

「きれいだ……」アジズが、ベレンの姿を見つめながら囁く。

「白い狼だ」俺は息を吐くように言った。ベレンは白い狼。女神よ――最後に白い狼が目撃されたのは、たしか二百年近く前だ。今はそんなことに意識を奪われている場合じゃない。今この瞬間、俺はアジズと身体の主導権を奪い合っている。あいつは変身して、あのイタチ野郎を引き裂きたがっている。俺だって同じだ――いや、そいつを引き裂きたいのはもちろん、アジズだって引き裂きたいくらいだ。だが、できない。まだだ。あいつは肩書も群れも剥ぎ取られたが、俺たちに対して次の一手を打ってきたわけじゃない。

ベレンがデヴィンに飛びかかろうとした。自分の行動を正当化しよう...

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