第108章

リナ視点

レオの素晴らしいスピーチの後、私たちの周りの祝宴は新たな活気をもって続いていたが、ソーン長老が静粛を求めて手を挙げた。その風雪に耐えた顔には、古の伝統の重みが深刻な影を落としていた。

「これより、神聖なる瞬間が訪れる」と、彼は告げた。その声には、何十年もの間、このような儀式を執り行ってきた権威が宿っていた。「我らが新たなルナをパックの意識に縛り付け、その魂を我々のものと永遠に繋ぐ、血の誓いである」

息が喉に詰まった。打ち合わせの時には、誰も血の誓いなんて口にしなかった。レオの手が私の手を強く握りしめ、親指が安心させるように私の指の関節を撫でるのを感じた。

『大丈夫だ』と、私の不安の...

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