第126章

リナ視点

最初に気づいたのは暖かさだった――安全と我が家を意味する、シダーとサンダルウッドの慣れ親しんだ心地よい香り。次に気づいたのは、私の手を握る手の重み。指が固く絡み合っている。まるで、手を離したら私が消えてしまうとでも恐れているかのように。

ゆっくりと目を開け、診療所の窓から差し込む柔らかな光に瞬きする。そして、彼がいた。

レオはベッドのすぐそばに引き寄せた椅子に座り、髪は乱れて顔にかかっている。両手で私の手を握りしめ、祈るように頭を垂れていた。その姿に、愛しさと胸が張り裂けるような悲しみが入り混じり、心が締め付けられた。

彼はひどい有り様だった。顔はやつれ、普段は逞しいその体格が、ど...

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