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リナ視点

幻想的な木立が朝霧のように消え失せ、私は唐突に寝室という確固たる現実へと引き戻された。転移の強烈な衝撃に膝から力が抜け、私は窓枠にしがみついて必死に体を支える。肋骨を叩くように激しく脈打つ心臓。脳裏には、まるで死刑宣告のように月の女神の言葉が反響していた。

『あなたの魂は……二度とレオに会うことはできない……永遠に、伴侶と引き離されるのです……』

知ってしまった真実の重みが、大波のように私を飲み込み、一瞬、息ができなくなる。まるで鉄の輪で肺を締め上げられ、じわじわと命を絞り取られているかのように胸が苦しい。部屋がぐるぐると回り出し、私は込み上げる吐き気を抑えるために目を...

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