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レオ視点

リナを抱きかかえて寝室へと戻る。彼女は俺の首に腕を回し、胸板に顔をすり寄せてくる。腕の中の彼女はあまりに小さく、今にも壊れてしまいそうで、俺の庇護欲を激しく掻き立てた。リビングでの悪夢とパニック発作が、彼女の精神をすり減らしてしまったのだ。波のように押し寄せる疲労感が、彼女の体から伝わってくる。

「よし、着いたぞ」

俺は彼女をそっとベッドに下ろし、布団を肩まで掛けてやりながら呟いた。「少しは落ち着いたか?」

彼女は頷いたが、すぐに俺の手を求めて指を絡ませてきた。まるで、俺がまたどこかへ消えてしまうのを恐れているかのように。「介抱してくれて、ありがとう」

「当たり前のことだ」...

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