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リナ視点

テントのジッパーを下ろした瞬間、溶けた黄金のようなキャンドルの光が溢れ出した。濃厚で、温かく、そして猥雑なほどに。二ダースものティーライトキャンドルがきれいに並び、山の空気がメッシュ越しに入り込むたびに炎が揺らめいている。次に香りが私を襲う。蜜蝋、ダークチョコレート、そしてその奥底にある野性的な何か――私自身の昂りが、すでに空気中に充満していた。

レオが準備してくれていたのだ。

テントの中央には、まるで高級ホテルのスイートルームのように整えられたダブルのエアマットレスがあった。パリッとした白いシーツ、ふかふかの枕。小さな折りたたみテーブルには、濡れているように艶やかなチ...

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