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リナ視点

目が覚めると、私は夢と現実の狭間にある、あの馴染み深い場所にいた。あたりは銀色の光と、圧倒的な神の気配に包まれている。だが今回は、月の女神を前にした時にいつも感じる畏敬の念の代わりに、ただ激しい怒りだけが私を満たしていた。

私は感情に震える体で必死に立ち上がり、目の前に佇むげな姿を見据えた。彼女はいつものように――美しく、古(いにしえ)より変わらず、そしてあり得ないほど穏やかに――そこにいた。だが今日、その静けさは私の怒りに油を注ぐだけだった。

「あなたね」私は憤怒に声を震わせながら吐き捨てた。「すべては、あなたのせいよ」

月の女神は、すべてを見通すような太古の瞳で私を見つ...

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