第46章

「またきたの?」

平野純平は現れた上原兄妹を見て、眉間にしわを寄せた。

「純平、あなたのことが心配でね」

上原美咲はしゃがみ込んで、「ちょうど私の撮影が終わったところなの。しばらく休息して、あなたに付き添おうと思って」

平野純平は黙ったまま、明らかに不機嫌な様子だった。

傍らで上原陽が彼の足を診察した。

「純平、今日の調子はどう?」

「感覚はあるけど、まだ歩けない」平野純平は正直に答えた。

上原陽は辺りを見回して、「あの大澤先生はいないの?昨日はよく聞かなかったけど、彼女はどうやって治療してるの?」

「漢方医学の鍼灸だよ」平野純平は言った。

「漢方医学?」

上原陽は軽く...

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