第52章

大澤亜美は大澤玲子をドアの中へ押し込むと、タブレットを見ていた平野純平に向かってにこにこと笑いかけた。

「イケメンおじさん、ママのベッドが濡れちゃって、今夜寝るところがないの。だからここで寝るね」

そう言うと、彼女は小さな足で走り去り、大澤玲子を呆然とさせたまま去っていった。

ベッドの上の平野純平は大澤玲子を見つめ、探るような表情を浮かべた。

「君のベッドはどうして濡れたんだ?」

大澤玲子は額に手を当て、心の中である小さな悪戯っ子の仕業だろうと推測した。

「気にしないで、寝てください」

この三人の小賢しい子たちと、彼女は上の階に行って清算しなければ!

子供部屋の前に来ると、彼...

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