第53章

光が少しまぶしい。

大澤玲子は眉をひそめ、目を開けて平野純平を見た。

「電気を消してくれない?」

平野純平は我に返り、黙って視線をそらした。

電気を消そうとして、突然ふくらはぎに痙攣が走るのを感じた。

思わず小さく息を吸い、手をふくらはぎに伸ばす。

物音を聞いた大澤玲子は体を起こして彼を見た。

「どうしたの?」

「足がつった」

平野純平は眉を軽くしかめ、手で揉みほぐしていた。

大澤玲子はベッドの端に腰を下ろし、彼の手を払いのけると、自分の手で触れた。

「誰が急いで床に降りろって言ったの?筋肉を痛めたじゃない」

そう言うと、彼女は彼のふくらはぎを揉み始めた。

女性の小...

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