第12話

新プロジェクトの買収を終え、久遠寺靖彦は珍しく今日早く帰宅した。

  望月陽美は早々に食事を用意し、久遠寺靖彦を見ると慌ててコートを脱がせようとした。

 「今日は厨房に頼んで、あなたの好きなロブスタースープを特別に作らせました。お気に入りのトリュフも入れましたわ」

  久遠寺靖彦が本当に気に入っているのか、私は疑わしい。

  むしろこれで私を苦しめたいだけだろう。

  彼が家にいようがいまいが、いつも厨房に薬膳料理を作らせる。彼も私と同じく濃い味付けが好きなのに。

  ジャンクフードを食べながら健康も維持したいなんて。

  彼の行動は「子供はどちらかを選ぶが、彼は両方欲しがり、ついでに私まで巻...

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