第16話

久遠寺靖彦は私を物置部屋へ連れて行き、わざわざ専門の葬儀屋さんを呼び寄せた。葬儀屋さんは私の身だしなみを整え、化粧を施し、生前の姿へと少しずつ戻していった。細かい表情さえも、寸分違わず再現しようと努めた。

彼は傍らに座って静かに見守り、指先でそっと私の頬を撫でた。口元に笑みを浮かべ、私を驚かせないとばかりに、かすれた声で言った。「『陽菜』という名前が君にとってどんな意味を持つのか、今になって初めて知ったよ。これからは、僕だけの『陽菜』でいてくれ」  

「陽菜、あの世で子供たちと元気でね」

  彼のその姿を見て、胸の痛みは消えたものの、詰まるような感覚が残った。

久遠寺靖彦は再び冷凍庫の電源を入...

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