第7章

 結婚式の朝。私は式場のブライズルームに立ち、鏡に映る純白のウェディングドレス姿の自分を見つめていた。

 メイク担当のスタッフが出ていき、部屋には私一人だけ。ドレスは美しいけれど、これを着るのが今日で最後になることを私は知っていた。

 昨夜はほとんど眠れなかった。今日言うべき言葉を、頭の中で何度も何度もリハーサルしていたからだ。バッグの中には達也のUSBメモリが入っている。そこに収められた数々の証拠が、和也と麗奈が張り巡らせた嘘の網を完全に破壊することになるだろう。

 式が始まるまで、あと三十分。

 ドアをノックする音が響いた。

「どうぞ」私は静かに答えた。

 和也がドアを押し開...

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