第155話

カレブ視点

クソッ、あいつは自分が俺に何をしてるのかまるで分かっちゃいない。

あいつの一瞥――あの自信満々で勝ち誇ったような顔を見るだけで、俺の体は火がついたように熱くなる。俺の周りにいる女たちのほとんどは、あんな態度はとれない。彼女たちが気にするのは俺の銀行口座の残高か、俺が乗っている車か、あるいは俺が買い与えるかもしれない高価なガラクタのことばかりだ。だがリリーは違う。そんなことには興味すらない。

そのせいで、俺は少し困った立場に追い込まれていた。デートで一体何を計画すればいいんだ? まるで見当がつかないし、考える時間は一日しかない。お袋にアドバイスを求めようかとさえ思った――俺らしく...

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