第156話

リリス視点

今朝の奇妙な電話の後、私は頭の中のモヤを振り払い、やるべきことに意識を集中させた。ダリアはこのオークションのアイデアにすっかり乗り気で、あらゆる手段を講じている。土曜の午後にはヘアメイクの予約を入れてあり、どのようなスタイルにするかは私が決めていいと言っていた。

明日はドレスや靴、その他もろもろを買いにブティックを回る予定だ。もちろん自分でお金を払うと申し出るつもりだが、彼女が選ぶものは間違いなく私の予算を遥かに超えているだろう。このイベントのためにクレジットカードの限度額を使い切るなんて、絶対に御免だ。

全体的に見て、気分はかなり良かった。ケイデンとのデートに対しては、偏見...

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